第3話 私は、雨がキライ

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 時刻は、午前5時30分を少し過ぎたところ。白みはじめた空をぼーっと眺めながら、俺は再びベッドに沈んだ。 「いつもの癖でこんな時間に起きてしまった……」  部活をやめたのだから朝練などないのに、慣れとは恐ろしい。  もう一眠りしようと、布団を被るが右へ左へと寝返りをうつだけで、なかなか眠れない。 「だめだ、起きよう」  ベッドから起き上がると、シャツのそでに腕を通した。 「おはよう、陸斗くん」 「おはよう」  甘い綿菓子みたいに、ふんわり笑う眞希の頭をなでながら、あいさつを返した。焦る声が隣から聞こえてきたが、気にしていられない。 「……陸斗くん、なんかおつかれ?」 「あー、うん。朝やることなさすぎて疲れた」 「なにそれ」  くすくすと眞希が笑う。なんだか少し歯がゆくなって、眞希の頭をさっきよりも強めになでた。 「ちょ、頭がぐしゃぐしゃになる!」 「ごめん、ごめん」 「……おい」 「冬馬、いたのか。おはよう」  いつの間にか、俺の目の前に冬馬が腕を組んで立っていた。 「いましたー、ずっとみてましたー」  じと目で口を突き出しながらそう言う冬馬が、なにを言いたいのかよくわからない。 「なにが言いたいんだ?」 「なんでもないですー」  俺の会話を聞いていた眞希は、隣で肩を揺らしながら笑っていた。
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