第4話 部外者が口を挟むな

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「あ……ロンリーウサギだ」 「ろんりーうさぎ?」 「そのキャラの名前、ロンリーウサギっていうんだよ。友達がいつもカバンにつけてる」  ロンリーウサギは、一人ぼっちのゾンビウサギ。太陽の光が苦手で、いつも一人で暗い夜の中を遊んでいる。  一番好きな遊びは、ガイコツの頭でやるボウリングという設定らしく、眞希にこの話題を持ちかけると半日は、熱く語りはじめてしまう。  なので、彼の前でロンリーウサギの話をするのは禁止だ。 「そっか、このキャラがロンリーウサギだったんだ。教えくれてありがとう」  小夏さんは、ギュッとボイスレコーダーを握りしめた。 「あの……小夏さん」 「樹雨」  美術室の入り口から聞こえた、低くはっきりとした声に驚いた俺は、言葉を飲み込んでしまった。  入り口に立っていたのは、赤黒い髪色の男性だった。冬馬より身長が高いのではと思ってしまうほど、彼はスラッとした体形をしている。  男性は、俺の横をすり抜けると一瞬、敵を見るような目をこちらに向けた。 (あ……ピアス)  右耳だけでもピアスを三個つけているのを発見してしまい、ついその耳を見つめてしまう。  見つめられたのがイヤなのか、彼は眉をゆがませるとそのまま小夏さんの元へとむかい、彼女の物であろう荷物をつかんだ。 「樹雨、かえるぞ」 「うん」  彼の言葉に素直に従った小夏さんは、机から少し飛び出した椅子を机の下へとしまうと、彼と一緒に入り口へと歩いていってしまう。 「小夏さん!」
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