攻略失踪ルート

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13 <転属のお知らせ> If then ――faled Else #8 /唐突に視界にwhite noise が入る。 目の前で朝のミーティングの司会をしていた筈の彼女の代わりに別の職員が司会をしていた。 ”同期に失敗しました。“ 手元の携帯端末が認識同期に失敗した旨を伝えていた。 急に眠くなって意識が遠くなる。/ ******* ******* 茫然自室 #9 /テーブルから頭が落ちそうになって目が覚める。 危うく頭から転倒するところだった。 テーブルに置いた携帯端末。 20231024午前二時。 昨日の続きのリニアな時間。 「同期に失敗、か」/ ******* ******* 方便土第二 #10 静まり返った夜の駐車場。 午後10:30。 時折通る車ももう電磁自動車ばかりで人工的な駆動音をさせている。 五十m先のコンビニだけが真夜中に煌々と灯りを周囲に配当していた。 ”私この曲、嫌い” 客が寄って来るからだろう。 客入れの行進曲を掛けるのを辞めて、自曲を投入。 クラシックの新作のような。 中身がない、と言う批評が出ている。 最大音量で携帯端末から流れる音楽。 合図なんだけど。 もう来てるのがばれてるのであまり意味はない。 「こんばんは。」 ******* ******* Call girl #11 夜の駅前 都会とはいえ九時を過ぎるとダウンタウンの人はそろそろまばら。最近の都会は夜が早くなりがち。照明維持にもお金がかかるという事か。世の中は復不況。慢性的な景気後退はまだまだ続きそうだった。 この町の駅前で24時間営業を張っていたファーストフードも今は23時まで。 九時のファーストフードは結構にぎわっていた。と言っても四割十人の入りだったが。 カウンターの席に座っている女子の一席空けた位置に男が座る。 目があったよう。 男が笑う。 程なく男が席を立つと粗すぐに女子も席を立った。 後を追って席を立った。 改札を通り過ぎローテの旧喫煙所付近に二人は立っていた。 「四万/1h」 「分かった」 「じゃぁ、五万/1h」 「え、値上げ?」 「愛は売って無いの。この町では」 駅の英語アナウンスが聞こえた。 ******* ******* 転属のお知らせ #12 とある施設の事務局。 「明日から彼女、再任だそうですね」 「上から依頼でね」 「居無い事になってるんですが」 「明日から着任だ。」 ******* ******* Blues sky #13 並べられテーブル前。全員の前。司会位置。 教師の位置でフロアを見渡す。 「契約は明日から一年間」。 人事project #13ー2 「1stが再任したようです」 「second、tripleは」 「所在調査中です」 「韓国の?」 「類似該当、帰還済みです」 「外務省に礼を言わないと」 ******* ******* If 明日は二年前 then Hello again. #14 フロアの最前列。皆のほうを向いて「彼女」が立っていた。 「おはようございます。今日から着任しました、あさくらみなみ、です」 ******* *******
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