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「こんな私でもいいの?」
火傷の跡だらけの両腕を見せた。
「痛々しいな。でも、樹利亜はその仕事を続けたいんだろ?」
「うん。仕事は大変だけど遣り甲斐があるし、工場のみんなとは家族みたいなものだから」
「そうか。でも、俺と家族になって東京の工場に異動してくれって言ったらどうする?」
「え⁉」
「なんで休みの日にスーツ着てると思った? 樹利亜、おまえがいないと俺は不幸になる。だから、結婚して俺を世界一幸せな男にしてくれ」
雅信さんはプロポーズの言葉まで彼らしくて、私は泣き笑いしながら頷いた。
王子様はニヤッと笑って、情熱的なキスをしてくれました。
めでたし、めでたし。
END
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