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こっこっこっこっこっこっこっこっこっこっこっこっこっこっこっこっこっこっこっこっこっこっこっこっこっこっこっこっこっこ・・・
「疲れた・・・もうイヤだ・・・」
「もう、私卵産めない・・・」
「狭いよ・・・」
「私、ここで死ぬのかしら・・・」
ここは、養鶏場。
『卵産み』だけに特化された、狭過ぎるゲージの中に夥しい数の雌鶏達が各々隔離され、ストレスで発狂寸前だ。
皆お互いを傷付けないように、雌鶏達の嘴は削られた為に餌の啄みもままならず、更に身動きが取れないので体が痒くても羽繕いも出来ない。
そう、雌鶏達は『生物』の威厳を失わせられた『卵量産マシーン』とされたのだった。
どの雌鶏達も生きる気力も失っていた。
しかし、その雌鶏の1羽。
名も無き、雌鶏の1羽だけは『生きる希望』を失って無かった。
・・・あの雄鶏・・・
・・・人間に殺される寸前を生き延びたあの雄鶏・・・
・・・逃げ延びて、無事に『自由』を掴んだのかしら・・・?
・・・何時か私も、この『地獄』から飛び出して・・・
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