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かっ!
「そこどけクソガキィ!」
頭上から怒声がして反射的に振り仰ぐと──人が落ちてくるところだった。
「うおわぁ!」
「うああああ!」
驚きと危機感で混乱しながらも、防衛本能は働いてくれたようで、体は避ける動きを取り──結果、落下人(?)は避けられた──が、友人とぶつかり、二人揃って縺れるように倒れこんだ。
次の瞬間には、一際鋭い硬質な音が響いて──落下人が着地したのが分かった。
「あっぶねぇな、二人揃ってぼーっと歩いてんじゃねぇよ!」
ギッ、と睨まれた上に理不尽な悪態をつかれた。
が、僕はその容姿のインパクトに呆けて、怯むどころじゃなかった。
頭上から落ちてきたその人は──なんと、女性だったのだ。
白のスーツに白のヒール、極めつけはその髪だ──総白髪というやつだろうか、三つ編みでまとめられたその髪は、腰の辺りまである。
「おい、そこのお前」
彼女は僕の顔を見て、さらにガンを飛ばしてきた。
こわいコワイ怖い!
そんな睨まないで!
こっちの心情を知らない彼女は着地姿勢から立ち上がってこちらに近づいてくる。
なになになになに!?
彼女は僕の一歩手前で足を止めて僕に顔を近づけてきた。
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