おつかいですよ、本日も。

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 うっ。  ち、近すぎる。  …………ん?  この顔……どっかで見たような? 「お前。あれ、持ってるだろ」  僕が戸惑っているのもお構い無しに彼女はそう訊いてきた。  あれって…………なに?  僕には思い当たるものがない。  そんな僕の反応に彼女はイラついたらしく「ちっ」と舌打ちすると、僕の胸ぐらを掴み、制服の胸ポケットに手を突っ込んだ。そして、僕がそこに入れて持ち歩いていた御神木の枝を三本とも取り出してしまった。  あ、あれってこの御神木のこと? 「じゃ、これ預かるから」  彼女は御神木を確認すると、満足そうに笑ってそう言い、掴んでいた僕の胸ぐらから手を離した。 「ちょっ…………」  待って、と僕が言うのも聞かず、御神木の枝を持ったまま僕らに背を向けて、彼女は立ち去ってしまった。 「な……んだ……あれ……」  気力が削がれて立ち上がれない。 「……なぁ、今の人、ちぃの親戚か何か?」  友人がそう訊いてくる。 「へ?」  僕と一緒に倒れこんだはずの友人は片膝を立てて既に立ち上がりかけていた。 「だって今の人、ちぃの顔に瓜二つだったじゃん」 「え?」  今の女の人が……僕にそっくり?
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