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「いやー、世の中に同じ顔の人間が三人はいるって言うけど、あれ、本当かもなー。もしくはドッペルか」
「…………ドッペルはイヤだ……」
だってあれ、見たら死んじゃうやつだろ。
………………。
あー…………ちょっとは落ち着いてきたかも。
「立ち上がれそうか?」
「あぁ」
先に立ち上がった友人が手を差し伸べてきたので、その手を借りて立ち上がる。
「お互い怪我はしてないみたいだな」
「それが救いだよ……」
「でもお前、何か取られなかったか?」
「あー、でもなんともないやつだから大丈夫」
何とも言えない不安はあるけれど。
「……気分直しっちゃあれだけど、コンビニ寄ってくか?」
友人が気を利かせたのかそう言った。
「や、これから姉さんの所に行かないと……」
「あぁ、そっか」
それから友人とは途中まで一緒に歩き、別れ、僕は姉の家に向かった。
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