13.繋がる

4/22
2624人が本棚に入れています
本棚に追加
/410ページ
 意外そうに目を丸くするエンの腹筋をなぞるように触れてみる。女の子のような柔らかさやしっとり感はないけど、すべすべして弾力があった。 「くふっ、そんな怖々触られたらくすぐったいんだけど」  擽ったさを我慢しているのか、エンの口元がむにゃむにゃと歪んでいる。ならばと遠慮なく男らしい体を堪能させてもらおうと、少し身を起こした。さすがに膨らみもない胸には興味が湧かないので、主に胸筋や腹筋を撫で回す。  背中に手を回し抱き締めるように体を合わせてみた。素肌と素肌が重なる。決して薄くない肉厚さに、言いようのない安心感があった。 「好きって凄いな。まさか、男の体に抱きついて心地良さを感じるなんてな」  なんだか嬉しくてそう告げると、大人しくされるがままだったエンがはぁと息を吐いた。 「ヒロさんが俺を殺しに掛かってきてる」 「え?」 「嬉しいけど、そろそろ俺の番、いい?」
/410ページ

最初のコメントを投稿しよう!