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意外そうに目を丸くするエンの腹筋をなぞるように触れてみる。女の子のような柔らかさやしっとり感はないけど、すべすべして弾力があった。
「くふっ、そんな怖々触られたらくすぐったいんだけど」
擽ったさを我慢しているのか、エンの口元がむにゃむにゃと歪んでいる。ならばと遠慮なく男らしい体を堪能させてもらおうと、少し身を起こした。さすがに膨らみもない胸には興味が湧かないので、主に胸筋や腹筋を撫で回す。
背中に手を回し抱き締めるように体を合わせてみた。素肌と素肌が重なる。決して薄くない肉厚さに、言いようのない安心感があった。
「好きって凄いな。まさか、男の体に抱きついて心地良さを感じるなんてな」
なんだか嬉しくてそう告げると、大人しくされるがままだったエンがはぁと息を吐いた。
「ヒロさんが俺を殺しに掛かってきてる」
「え?」
「嬉しいけど、そろそろ俺の番、いい?」
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