2633人が本棚に入れています
本棚に追加
少しぶかぶかの緑のパーカーに身を包み、意志の強そうな眼差しで僕を睨み付けている。頭一個分くらい、僕より小さい。中学生?
「ごめんね、らいじょうぶ?」
うっ、呂律が回っていない。僕は思わず自分の口元を抑えた。
「……酔っ払ってんのかよ」
「はい……すみません」
ゆっくり喋れば呂律は大丈夫そうだ。
「……気を付けなよ」
黒髪の子は忌々しげに一言発すると、僕が通ってきた道の方へそのまま歩き出した。
悪いことしちゃったな。やっぱり強くもないのにお酒なんて飲むものじゃない。彼の後ろ姿を見ながら反省しつつ歩いていると、また何かに当たった衝撃がした。
最初のコメントを投稿しよう!