第3話 ハンターの血が騒ぐ

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「馬鹿女が木陰から出てお前の後を追う姿を見ちまってな」 とミカエルは言うと、不意に視線を真横に向け、立ち上がった。当の倫子が戻って来たようだ。ミカエルは一華が止める前に、ミカエルを見て目がキラキラハートになっている倫子の傍に歩いていく。そして 「倫子さん、でしたね」 と極上の笑みを浮かべ、甘い声で彼女に声をかけた。嬉しそうに目を輝かせる倫子…。そんな倫子の左手首を、ミカエルは右手で掴み売り場の壁へと誘う。ウットリしている倫子。そして呆気に取られている一華。ミカエルは、壁に背にするように倫子を立たせると、掴んでいた右手を離し、その手をそのまま倫子の左の頬付近の壁にドン、と手をついた。…俗に言う壁ドン、というやつである。ウットリ夢見がちな倫子に反比例して、ミカエルは冷たい表情を浮かべている。そして 「生憎俺は、節操無い女は不潔にしか見えなくてな。虫唾が走る程好かないのだ。俺は、妻以外の女には興味は無い!!…そして、一華は無関係だ。余計なちょっかい出すな!」 と血も凍るような冷たい視線で倫子を射貫きつつ、にハッキリと冷酷に言い放った。呆然としている倫子…。一華はハラハラしながらそんな様子を見ていると、 (…バカ!あんたが火に油注いでどーすんのよ?) と内心激しい突っ込みを入れた。ミカエルは言いたい事だけ倫子に言うと、 「一華、邪魔したな」 と爽やかに一華に微笑むと去って行った…。その後ろ姿を、「ありがとうございました」と、頭を下げつつ見送る一華は、内心頭を抱えていた。  一方、倫子は恍惚とした表情を浮かべ、 (…初めてだわ!私を拒絶した男なんて…これはもう、運命の出会いよ。私の本気に火をつけたわね。絶対、あの男をモノにしてやるわ!) と決意を固めるのであった。一華は、彼女の心が手に取るように伝わってきて、内心益々頭を抱えるのであった。
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