44人が本棚に入れています
本棚に追加
第1話 人のモノが欲しくなる
私は大崎倫子27歳。
デパート内の化粧品の美容部員よ。
小さい時からそうだったわ。
私には二つ年上の姉がいるんだけど、
姉が持ってる服、玩具、食べ物
何でも欲しくなるの。
取り分け
父親に可愛がられてる姉が羨ましくて
なんとかして父親を自分だけのものにしたくて
わざと風邪を引いて熱を出したり、
わざと転んで怪我をしてみたりして
気を引こうとしたりしたわ。
その甲斐あって
欲しいものはほとんど手に入れてこれたのよね。
但し物は…なんだけれど。
悔しいけれど父親は姉を溺愛するを辞めて
私だけを愛するようには出来なかったわ。
人のモノが欲しくなるのは年齢が上がるごとに
その欲求は強くなっていって
小学校5年くらいになると、
友達が好きな男の子も魅力的に見えるようになったわ。
だから
その子から奪い取る事に全力を傾けたわ。
面白いように
男の子は皆私にすぐ靡いてしまうんだもの。
友達から奪い取った時の彼女の悔しそうな哀しそうな、
殺意に満ちた顔を見る事
に言いようの無い優越感という
快感に酔いしれるようになったわ。
そんな訳で
高校に行く頃には既婚者との恋に
嵌っていくようになったの。
奥さんや子供がいる男って
落ち着いていて包容力があって
セックスも慣れていてすごく魅力的。
もう病みつきよ。
奥さんや子供の目を盗んで
私との時間に費やす時間が増えていくのを
目の当たりにするのは
堪らなく優越感と快感を覚えるわ。
彼は奥さんや子供よりも私の魅力に嵌まってる証拠だもの。
それは誰よりも優秀である私の魅力が、
証明された瞬間でもあると思うの。
彼らは
会えない時は大抵メールは仕事以外、
ぼぼ一日中私にくれるようになるの。
中には
仕事そっちのけで私に夢中になって
一日中メールをする男もいるけど
そうなるともう魅力的には感じなくて
私からサヨナラしちゃうわ。
最初のコメントを投稿しよう!