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「ふぁあ?…眠い…」
俺は一つ、大きな欠伸をする。やはり冬の朝は寒いな。色々着込んでいても、だ。全く。冬の間の太陽は少々サボりすぎではないか、などくだらない事ばかりを考えての通学路。
ココに可愛い幼馴染みでもいてくれたら少しはマシになるのかね。…おっと、イカンイカン。思考が変な方向に言ってしまった。未だにこの癖は治らんな。ま、治す気も無いがな。
「お?い、将大?!おはよー!」
「アラシか…朝っぱらから喧しいぞ」
嵐…仲は良いし悪いヤツでもない。俺の数少ない友だちだったりするヤツ。フルネームは篠崎嵐。地味に面倒臭い名前。俺は最初アラシと読んだがランというらしい。ただ本人が女みたいだと言ってその名を嫌うので皆からの呼び名はアラシで定着している。…字が字だし女っぽくないがな。
「そんな事言うなって!オレ達友だちじゃんかよ?。うりうりー」
「止めろ気色悪い」
ニヤニヤしながら肘で突いてくるアラシを軽くあしらいながら通学路を急ぐ。遅刻はしたくないからな。
「もしかして今日は戦闘学があるから機嫌悪いのかな??そうかそうか可愛いヤツめ!」
コイツは…全く…
「俺はお前ほど遠慮なく人の心を抉って来る奴を他には知らん。俺が妖精を出せないことくらい承知の上だろ?」
「うへー、はいはい。分かった分かった」
「返しが雑だな。アラシ」
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