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それは、あるクリスマスの夜。
幼かった少年の身に起きた、奇跡のようなお話。
***
雪の降る、クリスマス・イブの夜だった。
何年ぶりのホワイトクリスマス・イブに、町中が浮足立っていた。
だけれど郊外にある大きな一軒家では、広い部屋にポツンと電気が灯っているだけ。
「雅也(まさや)。ママこれからお仕事だから、いい子にしててね」
コートを羽織りながらそう口にして、玄関でヒールの高いパンプスに足を通すのは、化粧を施したひとりの女性。
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