聖なる夜の物語

4/33
前へ
/33ページ
次へ
クマのぬいぐるみをぎゅっと抱いて、闇夜を見つめる。 「あ、雪だ」 窓の外を、チラチラと白い雪が舞っている。 遠くから、子どものはしゃぐ声が聴こえてくる。もしかしたら、親や兄弟と、雪遊びを満喫しているのかもしれない。 「いいなあ。僕も、お外で遊びたい」 だけどそれは、両親から禁止されている。夜に出歩くことはできないし、第一この家から出ることができない。雅也の身長では、ふたつあるうちの上の鍵を、開けることができないのだ。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加