聖なる夜の物語

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窓から顔だけ出した状態で、サンタクロースはそう尋ねる。 お願い。それならある。だけど彼女が、それを叶えてくれるのだろうか。 小さな頭で、雅也は精いっぱいに考えた。黙り込んで、ギュッと眉を寄せて。 「雅也くん?」 「………………お姉さん。お願いごとなら、なんでもいいの?」 「もちろん。私にできる範囲ならね」 「じゃあ…………僕と遊んで!」 思いきってそうお願いすると、今度はサンタクロースが目をぱちくりと上下させる番だった。
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