1 突然取れた航空券

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テレビのニュースで、九州の方にあるスケートリンクが批判を浴びまくった事件が取り上げられていた。 海の上をスベるというコンセプトで魚の死骸を氷漬けにして作ったスケートリンクにたいへんな批判が寄せられて、普通のスケートリンクに戻さざるを得なくなったというニュースだった。 映像には、様々な魚類が氷の中に閉じ込められている様子が映し出され、その中にはジンベイザメの姿もあった。 娘とそのニュース映像を見て、一緒に泳いだの覚えてる?と尋ねると、ちゃんと覚えているという。 まぁ二年前の夏なので、覚えていて当たり前といえば当たり前だが、何となく喜ばしい気分になった。 ジンベイザメと泳ぐなんていう経験はなかなか無い貴重な体験だと思うので、記憶に留めておいてくれてよかった。 これから少しその旅の顛末を記しておこうと思う。 二年前のその夏のお盆休み、本当であれば奄美に行くはずだった。 飛行機と宿の手配は、当然ながらすっかり整えてあった。 8月に入り、出発までカウントダウンを始めた頃、マイレージポイントの特典旅行でのキャンセル待ちしていた東京-マニラ便が取れたとのメールを受信した。 それこそ、そんなキャンセル待ち登録をしたことすら忘れていた程であったが、せっかく取れたならばと、少し手配に動いてみることにした。 以前、よくお世話になったメトロマニラの旅行代理店に今から手配可能なツアーがないかメールしてみた。第一希望と第二希望を伝えておき、返信を待った。 すると、第一希望・第二希望ともに手配可能であると言う。 即、第一希望であったセブ島の南端沖にあるスミロン島のリゾートへのツアーを申し込んだ。 ツアー手配OKとの事で、奄美の航空券とホテルをキャンセルした。 そうして、お盆休みにはいる10日前に旅の目的地が突然変更された。
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