今回の任務報告書

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報告書:庵楼院盾子 出動地区:XXX区 同行者:アルバナ・テズナ(途中合流) 死傷者:20人超 捕捉者:エルモア・テズナ(鴉)、その他異能力者数名(鴉所属者あり) 報告内容: 09:00、出動命令によりXXX区に単独出動。現地はすでに死傷者を出していた状態にあった。殆どが異能力者による犯行のものだった。そのうち数名には鴉と思しきものを身に着けていた者もいた。 応戦したが此方が劣勢になってしまう。その時、近隣の火災を確認。すると、応戦していた敵の体が発火、他にも近くにいた負傷者の体まで発火。近くには発火するようなものは確認できなかった。その直後、アルバナと合流。彼は鴉のメンバーを追っていたら私と偶然合流したらしい。 「これらの犯行は鴉のメンバーであるエルモアという男だ」 アルバナはそう言い残し、火災源であろう場所に移動。私は後を追おうとしたが、まず火を消すべく近くにあった蛇口のホースの水で火を消しにかかる。だが、時間の問題だった。 その時、隣にあった小さいビルで爆発が起こる。瓦礫に下敷きになった者もいた。なんとか瓦礫は避けられたが、もしかしたらビルの中に発火、爆発させた人物がいるかもしれないと踏んでビルの中に突入。このビルなら此方が上から丸見えだったため、先程の発火現象にも説明がつく。 炎の勢いはあまり強くはなく、3階までなんとかたどり着く。そこには白い服、赤い羽根のアクセサリーを身に着けた男が立っていた。その男は身なりは違えど、アルバナと同じ褐色肌に白髪だった。 「これは予想外だが、想定内ですよ、猟犬のご婦人」 口こそ笑っていたが、赤い目は笑ってなどいなかった。 「できれば最期くらい弟の顔を拝みたかったものだ」 その瞬間、階段の入り口を炎で遮られ逃げ道がなくなってしまう。なんとか手持ちのハンカチで口は塞ぐことができたが、このままでは私だけではなくこの男まで死んでしまう。それだけは避けたかった。確保するために男に近づくが、炎で遮られてしまう。
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