これが最期と決めてから

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今年の夏に長年勤めた会社が倒産をした。 私は、会社の危機も知らずに部下に偉そうに命令をしていた。 部下たちが私を嫌っていたのは知っていた。だが上司という肩書きに私は自惚れていたのだ。 仕事を失った部下たちが次々と再就職を決める中、私は仕事を失ってもふんぞり返っていた。 手元には結構な貯金があるから、しばらくは余裕だろうとたかをくくっていた。 仕事も探さずに家で趣味のゲームばかりする毎日。 そんな中、息子から異変が起きた。 私の財布から、こっそり金を持ち出すようになり、おどおどするようになった。 妻には何事か相談していたようだが、私は大したことがないだろうと妻に任せていた。
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