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私は今、真夜中の路地をひたすら走っている。走るというか逃げている。得体の知れない何かから。 ケタケタと笑い声を発しながら何かが追ってくる。 姿は見えないが、声だけが執拗に追ってくる。 姿が見えないだけにやたらと怖い。 そしてある路地を曲がると「はっ」とそこで目が覚める。 そう、私は夢を見ていた。しかも毎日同じ夢を。得たいの知れない何かから追われる夢を... 何故毎日同じこんな夢を見るのかはわからない。 そして今日もまた、私は逃げている。わけのわからない物から。 ある路地を曲がると。 「えっ?」 目が覚めない。なんで?一瞬足を止めそうになる。 とにかく逃げなくては...足を止めることは出来ない。 これは夢なの?それとも現実?リアルすぎてそれさえもわからなくなってきた。 どれだけ走っただろう。 「疲れた・・・もうイヤだ・・・」 もうダメ限界。もう無理、走れない。 追いつかれる... とうとう足を止めてしまった。 怖くて足が震える。 何故目が覚めないの? 夢なら早く覚めて。 目をギュッと瞑った。 得たいの知れない何かは、ケタケタ笑いながら、私に追いつき、そして追い抜いた。 瞑ってた目をゆっくり開けた。 え? 助かった...? 意味がわからない、あれはなんだったんだろう。なんでこんな目に…… とにかく助かったんだわ。 安堵したその瞬間、目の前に何かが現れた。 ケタケタ笑いながら...
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