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僕は浅く息を吸った。
落ち着け…人を誘拐しこんな目に合わせる連中なんだ対象の情報くらい調べてない筈はない…。
だがそれでも、僕とミカの関係をどうやって知ったんだ……?
『あぁ___その眼……やっぱりそっちが月島くんらしいよね』
監視カメラは、抑揚のない機械音でそう呟く。
まただ。
月島くん。
あのカメラの向こうの人物は、僕を呼ぶとき時折『さん』ではなく『くん』となる。
まるで僕の事をよく知ってるみたいな口調だ。
違和感。
どうにか呼吸を取り戻し酸素が頭にめぐったのか、冷静さを取り戻しつつある僕の脳裏にそれは去来する。
「お前は誰だ? 僕らしいだなんて、まるで普段の僕を知ってるような口調だな?」
脳に降った疑問は、僕の口からそのままついて出た。
我ながらこんな挑戦的な口調は少し失敗したなと思ったが、監視カメラはチカチカと赤いライトを点滅させて淡々と答える。
『はい。 こちらはあなたの事を何でも知っています。 ずっと見てたからね』
ゾクッと背筋に冷たい水滴が伝う。
一体いつから?
数週間?
数か月?
年単位?
こんな奴らが、一体僕の何を知っていると言うんだ?
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