第1章

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しかし、安保条約に期限を付けたという事を評価しなかった事もあり、岸首相は日米地位協定を改正出来なくて退陣しました。 70年安保世代は、我々の世代でした。 ある程度世情が安定してから小学校になった我々世代は、盛んに喧嘩もした世代ですから、闘争心だけは在りましたから、新宿駅騒乱のように好戦的で、連合赤軍のように海外でテロまで実行しました。 そして安保闘争は敗退して終わります。 不思議な事にこの辺りから、たかが喧嘩でも、警察の取り締まりや扱いが厳しくなります。 それに拍車を掛けたのが暴走族の出現です。 彼等は鉄パイプや金属バット等を使い、対立する暴走族を襲いました。 暴走族への非難は高まり、一般人保護の論理から、暴力は社会的悪として否定され、それが高じて子供の喧嘩さへいけない行為だとされたのです。 我々の頃は、喧嘩両成敗の考え方も在りましたから、親も教師も警官も、双方の言い分は最低限聞いてくれましたが、現在では暴力を振るった方が悪いという風潮があり、イジメ等で追い詰められた末の暴力でも否定されてしまいます。 我々の世代も、安保闘争敗北の後は、生活の安定を志向するようになり、社会的成功を目指す人間も多くいましたから、暴力とは無縁になり、暴力を振るわない事が得だという風潮が定着したのです。 同世代の菅元首相や仙谷元長官の事は過去に書きましたが、仲間を平気で裏切るような人間が出世する結果になりましたから、真剣に安保闘争を闘った人達は、警察に逮捕された後で黙秘を続けた為に、長期間拘束されて、社会的観点からは非常に損をした事になりましたから、非暴力が得だとなった訳です。 しかし菅や仙谷は、安保条約を読んだ事も無かったり、マスコミの反アメリカに乗っただけで安保闘争を闘った人間ですから、やはりどこか器が足りずに、民主党政権を自ら破壊する事になってしまいました。 それでも我々の世代はまだ闘争心はあります。 良い悪いではなく闘争心だけの話ですから、誤解して欲しく無いのですが、現在でも70年安保闘争の全共闘の中の組織は、我々世代が継続して活動しています。 我々の世代でも学年が違うと肌合いが異なり、下の学年あたりから、経済的な暴力=恐喝やタカり等が増えていきますから、我々の学年が全共闘の主力を形成していました。 この経済的に暴力を使うという流れが、現在のイジメとタカりに繋がっているのだと思います。
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