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「ねぇ、湿布しっぷ張るの手伝ってくれない?」
続きましては、風呂蔵レイ。黒髪ロングのお姉さん。
スレンダーボディに黒革のコートをまとう厚着系女子であり、ブリンブリンのベースラインとぷりんぷりんの尻ラインが特徴的なベース担当である。セクシーダイナマイト担当でもある。
しかし、その尻ラインをステージ上で見ることはかなわない。
「もっと下のほう!」
なぜならば、彼女は腰痛。
重たい楽器を持って立ち続けることは、彼女にとって酷な話である。
よって、その問題点を解決するべく編み出されたのが、ステージ上であぐらをかき、恋人の《スティングレイン》を抱きかかえながら演奏するという『座禅奏法』であった。
楽器を縦に持つことによって、本来ならば恥骨の右部分だけにかかってしまう負担を大幅にやわらげているのだ。
「もっと下!」
今現在、国内でこの奏法を扱えるのは、風呂蔵レイと、大阪のオバ=チャン(42)のみである。かつてはこれを学ぼうと多くの若者たちが大阪を訪れたらしいが、TAKOYAKIを食べて満足してそのまま帰ってしまったというエピソードが有名であるそうな。
「……もういいや、自分で張る」
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