8年目+3カ月+2週間

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ここまで聞いても、まだ信じられなくて。 「モデルルーム巡りも、イタリア土産も。 全部全部、計算づくってこと?」 「みたいよ。まあ、イイじゃない。 彼、早くに父親亡くして母子家庭で育ったから、 メチャクチャ女性に優しいんだってさ」 …… 翌日。 そんな前情報を有り難く頂戴し、 久々に会ったユウ君は、別人のように思えて。 「はい、これお土産。 免税店で購入した口紅と、マニキュアなんだ。 気に入らなかったら、周囲の人にあげて」 それは某ブランドの商品で、 怖いほど私好みの色だった。 「うわあ、すごく素敵な色。 絶対、他の人になんかあげないよ。 自分で使う。やったあ、有難う~」 あ、ユウ君とっても嬉しそう。 半信半疑だったけど、 この人、本当に私のこと好きなのかも…。 不思議なもので。 相手が自分に好意を持っていると知り、 上位に立った気分になってしまうのは、 やはり私が不出来な人間だからだろうか。 こうして食事していても、 ふとしたときに、ユウ君は私を見ていて。 …それは幸せそうに微笑む。 な、なんだこの状況は。 愛され過ぎてて、正直怖い。 「あ、それとコレもおまけ」
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