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11月になった。
バタバタと慌ただしく、
落ち着かない日々。
涼介さんとの関係は続いているが、
いろいろと気を遣わせているようで。
掛かってきた電話も、
いちいち自室に移動して受けている。
遅い帰宅のときも、必ず私の部屋に顔を出して、
仕事だったんだよと言い訳していくのだ。
別にいいのに。
監視してると思われてるのかな。
息苦しく感じていなければイイけど…。
そんなことをアレコレ悩み、いつも私が、
早く帰宅するのが悪いという結論に至り、
先週からスポーツジムに通い出した。
何も考えず汗を流すのは、とても気持ちがいい。
ここで、偶然の再会もあった。
交際を申し込まれ、断ったユウ君も、
同じスポーツジムに通っていたのである。
「わ、由布…ちゃん」
「え?ユウ君…」
1カ月ぶりに会ったその人は、
相変わらず爽やか青年で。
実は受付している私の姿を見て、
声を掛けようか迷い、一度は諦めたらしいが、
帰りにまた見かけしまい、
今度は違う意味で諦めたそうだ。
「もう、声を掛けろってことなのかと思ってさ。
えいやって動いちゃったよ」
「うわあ、久しぶりだね。元気ィ~?」
その日は数分の雑談で別れ。
翌日、また会って雑談し。またその2日後も…。
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