8年目+7カ月

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ユ、ユウ君、驚いてるよね? だって、まさか女遊びの激しい同居人に 片想いしています…とは言えず、 >ユウ君は恋愛対象として見れない。 >ユウ君が次の恋愛に向かう妨げになるから、 >もう会いません。 そう言って断ったので、 涼介さんとのことは初耳だったに違いない。 「えっと、由布ちゃん?? 彼氏いないと言ってたよね。 コイツの話、本当なの?」 彼氏ではない…と言える雰囲気ではなく。 そう話している間にも、涼介さんの両腕は、 背後からグイグイと私を抱き締めている。 「アホか。 俺と由布は、バリバリ付き合ってるっつうの。 両想いで、イチャイチャしまくってるっつうの」 その言い方、アタマ悪そ~。 などと思いながら、腹を括った。 そう、あのとき決心したんだ。 私はこの人を選び、他を断ち切ると。 この人がどんなに他の女性と遊び歩いても、 私はこの人ひとりを選ぶんだと。 「ごめんね、ユウ君。 やっぱり、友人としても付き合えない。 私、きっと傷つけるだろうから」 「…そっか。実はさ、偶然じゃないんだ」 「え?」 「真希さんに訊いたんだよ。 由布ちゃんがスポーツクラブに通い出したって」 「う、あそ…うなんだ?」 「ごめん、未練たらしくて。 どうしても諦めきれなくて、待ち伏せしてた。 まだ自分にも可能性が有るかと思って」 なんとなく、その哀しそうな表情が、 自分の姿と重なり、何も言えなくなる。
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