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ユ、ユウ君、驚いてるよね?
だって、まさか女遊びの激しい同居人に
片想いしています…とは言えず、
>ユウ君は恋愛対象として見れない。
>ユウ君が次の恋愛に向かう妨げになるから、
>もう会いません。
そう言って断ったので、
涼介さんとのことは初耳だったに違いない。
「えっと、由布ちゃん??
彼氏いないと言ってたよね。
コイツの話、本当なの?」
彼氏ではない…と言える雰囲気ではなく。
そう話している間にも、涼介さんの両腕は、
背後からグイグイと私を抱き締めている。
「アホか。
俺と由布は、バリバリ付き合ってるっつうの。
両想いで、イチャイチャしまくってるっつうの」
その言い方、アタマ悪そ~。
などと思いながら、腹を括った。
そう、あのとき決心したんだ。
私はこの人を選び、他を断ち切ると。
この人がどんなに他の女性と遊び歩いても、
私はこの人ひとりを選ぶんだと。
「ごめんね、ユウ君。
やっぱり、友人としても付き合えない。
私、きっと傷つけるだろうから」
「…そっか。実はさ、偶然じゃないんだ」
「え?」
「真希さんに訊いたんだよ。
由布ちゃんがスポーツクラブに通い出したって」
「う、あそ…うなんだ?」
「ごめん、未練たらしくて。
どうしても諦めきれなくて、待ち伏せしてた。
まだ自分にも可能性が有るかと思って」
なんとなく、その哀しそうな表情が、
自分の姿と重なり、何も言えなくなる。
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