8年目+7カ月

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うん、分かるよ、その気持ち。 振り向かせたいって、好きになって欲しいって、 ずっとそればかり考えてしまうんだよね。 なのに相手は、何とも思っていなくて。 もうあと一歩で手に入りそうで、 実はそれが、まったく遠いことに気付くの。 幸せな恋愛なんか、どこにも無い。 好きになればなるほど、 同じ量の苦しみが増えるだけ。 「もう、由布ちゃんの前に姿は見せないよ。 でもゴメン。…たぶんずっと好きだと思う。 仕方ないんだ。 自分でもどうにも出来なくて。 由布ちゃんのことを考えるだけで、 幸せな気分になるんだよ。 だから俺が、キミを幸せにしたかったのに。 俺からの最後のお願い。 絶対に幸せになってくれ。 そうでなきゃ、また攫いに来るから」 …ねえ、ユウ君。 そのお願いは、難しいかも。 心の中で呟き、去って行く車に手を振る。 背後では涼介さんが唸っていて、 部屋に戻ってからも、 怒りは収まらないようだった。 「ああ、もう何なのアイツ! 普通さ、彼氏だって言ってる男の前で、 あんな堂々と口説くか?! 由布も、もっとハッキリ断れよ。 なんで俺のこと伝えなかったんだよ」
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