220人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
きょろきょろと視線を泳がせていると、
森田さんが意を決したようにこう言った。
「…そっか、そうだな。
あの2人のどっちかに、
彼女が出来ればイイんだ。
んで、俺もそれと同時に彼女を作れば、
残り1人になって、賭けなんか出来なくなるし。
本多さんと石引さんの好きなタイプって…。
ん~。
昔、泥酔して、一回だけ本多さんが愚痴ってた。
『好きな女がいたけど、相手にしてくれない』
とかなんとか。確か、同期で…そう、経理部!
ねえ、稲井田さん、経理に林さんっているだろ」
ま…さか?こ、この展開って。
「いますよ、彼氏いない歴27年。
もうすぐ妖精になる予定の『林真希』さんが!」
ム、ムリムリムリムリ。
あの真希さんがそんな、
ただれた生活をしている男と付き合うなんて。
ハードル高すぎですッ。
「確か本多さん、何回かデートに誘って、
その都度、すっぽかされたって言ってたけど」
「…いやあ、あの妖精といきなり2人きりは、
無茶ですって。グループ交際から始めないと」
ここで突然、涼介さんが口を挟む。
「いいよ、俺。グループデートしても。
中学生みたいで楽しそうじゃん」
絶対に断ると思ったのに、いきなり快諾??
そこにダメ押しで、森田さんも言う。
「んじゃさ、取り敢えず交流を深める意味で、
飲み会でもしよっか」
そんなワケで斜め方向に話が進み。
1週間後にソレを行なう運びとなったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!