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きょろきょろと視線を泳がせていると、 森田さんが意を決したようにこう言った。 「…そっか、そうだな。 あの2人のどっちかに、 彼女が出来ればイイんだ。 んで、俺もそれと同時に彼女を作れば、 残り1人になって、賭けなんか出来なくなるし。 本多さんと石引さんの好きなタイプって…。 ん~。 昔、泥酔して、一回だけ本多さんが愚痴ってた。 『好きな女がいたけど、相手にしてくれない』 とかなんとか。確か、同期で…そう、経理部! ねえ、稲井田さん、経理に林さんっているだろ」 ま…さか?こ、この展開って。 「いますよ、彼氏いない歴27年。 もうすぐ妖精になる予定の『林真希』さんが!」 ム、ムリムリムリムリ。 あの真希さんがそんな、 ただれた生活をしている男と付き合うなんて。 ハードル高すぎですッ。 「確か本多さん、何回かデートに誘って、 その都度、すっぽかされたって言ってたけど」 「…いやあ、あの妖精といきなり2人きりは、 無茶ですって。グループ交際から始めないと」 ここで突然、涼介さんが口を挟む。 「いいよ、俺。グループデートしても。 中学生みたいで楽しそうじゃん」 絶対に断ると思ったのに、いきなり快諾?? そこにダメ押しで、森田さんも言う。 「んじゃさ、取り敢えず交流を深める意味で、 飲み会でもしよっか」 そんなワケで斜め方向に話が進み。 1週間後にソレを行なう運びとなったのだ。
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