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「あの、知人の紹介で…」 「でも、彼氏がいることは、 言わない方が良かったかも」 「え、やっぱりそうなんですか?」 ここで乃里さんが説明してくれた。 営業部の男性陣は、素晴らしい団結力を持つが、 成績を競い合うためライバル意識も異常に強い。 その気持ちを高めるため、 ゲーム感覚で女性を奪い合ったりするのだと。 「しかも最近、フリーの女性を落とすのが、 簡単になってきたとか言っててね。 彼氏持ちの女のコを探してるワケよ。 しかもその彼氏が、 我が営業部の男じゃないコをね。 だから当然、私と莉々は除外されるし、 モアは部長の姪だから免除されたみたい。 こっちの3人は、それを承知で、 得意先の重役とか、御曹司と付き合ってるから、 さすがの野獣たちも手出し出来ないの。 由布ちゃん、アナタの彼氏はそうじゃないよね」 「ざ、残念ながら…」 思わず喉をゴクリと鳴らす。 それを見て、乃里さんは厳しい表情で言う。 「気を付けなさい。 冗談抜きで、狙われるから。 特に森田、本多、石引の野獣トリオ。 あの3人には要注意よ。 なるべく1人にならないこと。 誘われても断る…いいわね?」 『はいッ』と高らかに返事した、その1時間後。 なぜか私は森田さんと2人きりになってしまい。 思いっきり、ピンチを迎えていたのである。
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