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それから森田さんはポツリポツリと話し出す。 2年前から始まった、バカバカしい遊びを。 営業先でペコペコと頭を下げ、 職場でも上司に叱られ。 ストレスが溜まった先輩2人がある日 バーで飲んでいて、言ったのだと。 「あのカップルの女の方、こっち見てるぞ。 もしかして誘ったら落ちるんじゃないか?」 「んあ?ツレの男、丸山食品の課長に似てるな。 アイツ、ほんとムカつくんだって」 …取り敢えず、森田、お前が声を掛けてこい。 そう言われて仕方なく従い、 その女性はその晩、本多さんと夜を共にした。 「もう後は、なし崩しで。 俺、正直そういうの大嫌いだから、 関わりたくなかったけど、抜けられなくて。 でも、このままじゃマズイとも思ってて、 こっそりターゲットの女性に近づいては、 ネタばらしした後で、 俺とヤッたと嘘吐いて貰ってた。 いや、中には本当にビッチな女もいて、 本多さんや石引さんと寝てもイイって言うから、 俺がネタばらししたことを必死で口止めしたり。 ほんともう、 身が持たないよ。 俺、好きな女いるけど、それで一抜けしたら、 他に犠牲になる女のコが出るワケだろ? おちおち彼女も作れやしない。 マジで俺、人生終わってる…」 ここでずっと黙っていた涼介さんが、 いきなり口を開く。 「現状打破だな。 …よし、今から作戦会議しよっか」
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