再び0+1カ月+2週間

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「由布、本当に有難う。 俺、お前のことを好きでいて、良かった」 …その頬にポロリと涙が一粒こぼれる。 そっか。 この人は花好きで、最初の恋だって 『運命の人』なんて思い込むほど、 ものすごくロマンチストで。 それを踏みにじられて、裏切られて、 女性を信じられなくなっていたんだよね。 私のことも、恐る恐る距離を縮めていて、 全面的に信じたワケじゃなかったんだ。 だから、いいよ、私を試して。 何度でも何度でも、私を試して。 貴方を好きなことに、迷いは無いから。 「うああ、もう2人きりになりたいッ。 帰ろう、由布。俺たちの部屋に。 …と。あ、そこの元カレ」 なんだよ、と治人が低い声で返事する。 「由布はお前のモノなんかじゃない。 俺のだから。今後、手出しすんなよ? 見てのとおり、俺たちは絶対に離れない。 由布が嫌だと言っても、俺は離さない。 お前が姑息なことを企んでも潰してやる。 俺はな、由布に夢中なんだよ。 生涯ただ1人の女だと思ってる。 ああもう、イブに言うつもりだったのに、 ここで言っちまうぞ。 由布ッ、俺と結婚してくれ」 …へ?えええっ?!
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