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もう、混乱混乱。
だってそんなステービィな。
ん?スピーディだっけ??
ああ、もう私、おかしくなってる。
ステービィって、
そんなワンダーじゃあるまいし。
いやあれはスティーヴィー・ワンダーだ。
>I Just Called To say
>I Love You~
往年の名曲が、頭の中でリピートされる。
「だってそんな、付き合い出してまだ
1カ月半しか経ってないよ?」
私の言葉に涼介さんは、軽く目を細め、
『なにが?』とばかりに耳を近づける。
ダメだという理由を挙げたいのに。
おかしいの。
さっきからあの歌詞が繰り返し繰り返し。
>I Love You…
目の前で優しく微笑む涼介さんの、
テーマソングみたいに響く。ほら、また。
>I Love You…
どうして?
どうしてこの人を見ているだけで、
こんな優しい気持ちに
なってしまうんだろう。
彼は相変わらずのニコニコ笑顔で言う。
「あのさ、このまま何年か付き合っても
絶対、結婚すると思うんだよね、俺たち。
だったら、今しても変わんなくない?」
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