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……
「いつ?ねえ、いつから好きだったの?」
「う、ぐっ、それは、えっと」
いえ、話し相手は涼介さんではなく、
札幌の姉に代わっております。
翌日のイブ。
朝早く姉から電話が有り。
それは単なるご機嫌伺いだったんだけど、
話の流れで涼介さんとの交際を報告した。
すると、自信満々でこう言われたのだ。
「やっぱり!」
「な、何が『やっぱり』なの?」
「ぐふふ、旦那とね、言ってたの。
空気感というかさ、
なんか雰囲気が合うのよ、アンタたち。
だからムリヤリ一緒に住まわせて、
くっつけちゃおうって企んでたの。
やだもう。
まんまと、くっついちゃうんだも~ん」
…へ?
「最初からそのつもりだったの??」
「そうよ。私たちに感謝なさい。
若い男女が毎日一緒に暮らしていたら、
嫌でも意識するでしょ。
でもそんな状況に、なかなかならないの。
よく考えてみて。
いくら姉の旦那の弟だからって、
もし、街角ですれ違う程度の再会じゃ、
彼の良さには気づけなかったはず。
たまに会う程度の仲でも、
『女たらしのダメ男』って、
悪印象のままだったんじゃないかな。
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