再び0+1カ月+2週間

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治人は言う。 「いいじゃないか、 2時間だけ付き合ってくれよ。 21時発の新幹線に乗れば、 日付が変わる前に向こうに着くよ。 佐伯さん、この日のために半年も 計画練ってすごく頑張ったんだぜ。 2時間くらいなら大丈夫だろ?」 そう言われると、 断れないのを知ってるくせに。 そんな顔されると…すごく困る。 「でも、切符が…」 「指定席特急券でも、 当日だったら別便の自由席に乗れる。 心配せずに飲んでいけよ」 何を言っても勝てる気がしない。 仕方なく涼介さんに電話することに。 プルルル…。 1コール、2コール。 で、出ないし。 何してるんだろ、あの人。 お風呂にでも入ってるのかな。 また後で電話しようと思い、 ズルズルと一行に加わり、打ち上げへ。 「うわ、稲井田さん、来てくれたんだ」 「うう、感激だよお」 異常なまでに皆さん、喜んでくれて。 残って良かったと思ったけど、 ち、近い…。 治人が真横で接近し過ぎ。 長椅子の一番奥に座っているのだが、 ビッタリ体がくっつけられていて、 身動きすら出来ない。
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