再び0+1カ月+2週間

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その瞬間、手が触れた。 ビクンってお互いなったけど、 わざと気づかないフリして、 そのままずっと一緒に傘を持ち続けた。 だんだん治人の手がジンワリ汗ばみ。 私も緊張しまくってた。 ああ、そんな時もあったっけ…。 ブルルル、ブルルル。 懐かしい気持ちに浸っていると、 マナーモードにしていたスマホが震え、 画面には『涼介さん』の文字が。 それで私は現実に戻り、治人の手を離す。 「ごめん、彼から電話なの。 ちょっとあっちで話してくるね」 「…ああ」 人気のない廊下に出て、電話に応答する。 「も、もしもし」 「ゆ~う。どうした?着信あったけど」 「うん。急遽、打ち上げに出てるの。 そっち着くの深夜0時近くになるかも」 「分かった。気をつけて帰って来い。 駅からウチまでは、タクシーを使えよ」 あれれ? 意外とスンナリお許しが出ちゃった。 「はあい。あ、ねえ、晩御飯は何を…」 食べたの?と訊きたかったのに、 いきなり背後からスマホを奪われ。 振り返ると、そこには 「は、治人?何するの?? 私いま、彼と電話中なんだけど」 「ああ。俺からも話あるから、貸して」 え、えええ? な、なになに、何を??
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