ふたりの果て

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「これからも一緒に見よう。朝焼けだけじゃなくて、星空も夕焼けも」 そんなことを言われて、思ってしまった。 プロポーズみたいだ、って。 ロマンティストだなって茶化そうとして、でもできなかった。 恥ずかしさをこらえて、ちいさく言った。 「…そうだな」 おれの身体を抱きしめる矢野の腕に力が入った。 もう言葉はいらなかった。 淡い薔薇色に水色に、オレンジ。 どこまでも広がる朝焼け。 おれはその色彩をいつまでも目に映しつづけていた。 end.
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