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「あくまでも、セフレじゃなくて、ただのH友達だし」
佐竹さんがまた、何回か咳き込んだ。
キッチンタイマーがピピピピピと鳴り出した。
音を止めてから、…せやけどなぁ、と佐竹さんが言った。
「セフレやなくても、きついんちゃうん? 恋愛感情もった相手と切れるんわ」
「………」
そこへ、ラインの着信音がした。
見ると、賢人からの再びのお誘いだったから、とりあえず無視した。
「…その時は、その時だよ。佐竹さんの胸借りるから大丈夫だって。
下、行こうよ」
まだ何か言いたそうな表情の佐竹さんに、おれは、机の上のノートを閉じて言った。
「きのこのスープ、飲むんでしょ?」
…せやった、と額に手をあてた佐竹さんに笑ってみせながらも、おれは、佐竹さんの胸を借りる日が一日でも遅くなればいいと思わずにはいられなかった。
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