平安異譚 もののけ大戦 第二話

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力王 五王隊に 弓月 三弓隊を 率いて 正親門方面へ 駆けつけました。 そこで 目にしたのは これまた 赤銅色に 鈍く輝く 巨体を 持った 大百足 正親門に かつて 張ってあった 結界を 破り 正親門より 都へ 浸入してきました。 巨体を揺るがせ やってくる 大百足 現れた 侍たちに 「愚かな、我が名は、百足翁(むかでおう)人間が我に敵うわけがあるまい」と 人語を話すや 口から 毒液を 吐き出しました。 先頭に 立って 槍を構えていた 侍 数名 みるみるうちに 骨だけに 溶かされて みな 動揺を しかし 弓月 臆せず 三弓隊に 「鏑矢にて結界を」と 命ずるや 自ら 何本もの矢を束ねたものを 数回 百足翁へ 放ちます。 顔中心に 矢が何本も 撃ち込まれ 顔を 振り払い また 口から 毒液を 吐き出したのだが 今度は 三弓隊が 鏑矢を 何本も 地面に 撃ち込み 作った結界に 阻まれ こちらまでは 届かなくなりました。 また その結界を 今度は 五王隊が 鉄の槍を構えて 守り 奴が 身体を 預けて 破壊しようとするのを 阻み 百足翁の進攻を拒んでいます。 「さて、弓月大将、こやつ、どう倒しますかね」と 力王 問わば 「ならば、力王よ、我が、破魔矢で、奴の動きを封じるゆえ、白夜で、叩き潰そうかのぉ」と やはり この二人 歴戦の勇士だけに 二人揃えば いかなる もののけにも 負けはしないだろう と 侍たちも 戦いながら 確信しているようで 弓月 いざ! 掛け声 と 共に 月光 より 破魔矢を 三本 一遍に やつ 百足翁へ 放ちました。 その三本の破魔矢は 三本を 一纏めに 放つも 三方向へ 違った所を打ち込む 腕前を 持つ 弓月 さーーっ と 流れて 行った 破魔矢は 百足翁の 頭 胴 尾の 三つの部分を 射抜きました。
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