平安異譚 もののけ大戦 第一話

4/9
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
力王 館の庭をくまなく探して 土蜘蛛の幼体二体見つけては   かつて 願の森に住む女の神(めのかみ)様から授かった 白銀の鎚 白夜で 粉砕しました。 「総大将 なぜ今 土蜘蛛が この屋敷に現れたのでしょうか?」 力王 少年の頃のように 目を輝かせては雷禅問い詰めるも 「これは 弓月も呼び返し ただちに対策を練るべきかのお」 「いやあ弓月兄さんは今 大胴山で 天狗と戦っているから すぐには呼び戻せない です。とりあえず 我が隊で 京の都警備を。担当しつつ。対策を考えるべきでは?」 力王の心強い言い方に 雷禅 頼もしく思い 「済まぬの わしが万全であれば すぐにでも 都中駆け回るのじゃが」 そうです。かつての勇者 源 雷禅 心の臓に 病を得て 今では あの名刀 雷丸さえ 使うことはできそうもなく しかし 心のうちでは まだまだ 若いやつらでは。。。。と 実際 侍部隊を指揮しているのは この力王であり 今一人 弓隊の指揮は 弓月が行っています。 その時   陽禅 「父上 それなら 願の森で 心の臓を治してもらえば」 名案を。。。。。 「なるほどの 美鈴よ そなたはどう思う?」 「はて?願の森へはずいぶん行ってはおりませぬが。まだ 父上 瑞江三位も?いるのか は?」 美鈴御前の父は 瑞江三位と言い 願の森の女の神様と 同体になり 森にて不死の身でいるはずだが。 雷禅思いついたが。吉日とばかりに「よし ならば今宵 願の森に 詣でようではない か。美鈴よ一緒に来てくれるな」と。。。。一方的に。。 すると陽禅坊も「僕が言ったんだから 僕も行くよ絶対にさ」と 駄々をこねては 美鈴御前を困らせるも 「総大将 それは名案です。都の警備は おいらに任せて いってきてくださいよ 美鈴姉さんもさ」と なんだか 力王 昔の少年時代のような話し方に 思わず美鈴御前も笑いだして 「ならば今宵 白雲を持っていきますか」 と これは 都の人にとっては とても素晴らしい名案でしたね。 陽禅少年 どうやら 父 雷禅や 母 美鈴御前以上の   なにか強いものを持っているようですね。 そうと決まれば なんと肝が太いのか 陽禅少年 宵に備えて 昼寝しはじめては 雷禅美鈴夫婦を 驚かせています。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!