平安異譚 もののけ大戦 第一話

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天空から放たれた矢を 力王 背中の大力刀で 叩き落として上空を伺うも どこから射かけられたのか? その時 陽禅が「ほらあそこだよ 天狗が飛んでるよ」と 高い木のてっぺん辺りを 指差して。。。 雷禅 すぐに弓を持ち出しては 矢を放ちました。 雷禅も 弓月ほどではないが 弓も得意 しかし その天狗は 西へと 飛び去って行きました。 力王 弾き落とした矢を 見つけ出しては 矢文がついているのに気がつき それを開いては「源 雷禅よ もはや貴様では、我らを倒しうる力はないようじゃの この度の戦いからは、手を引くがよいぞ 鴉天狗 鷹王」との書に。 雷禅 力王 共に腹立ち    「ええい赦せぬのお これは。」と憤り。 美鈴御前に「雷禅様 それよりも 早く 薬をお飲みください!さすれば あのような 木っ端天狗なんぞすぐに倒せましょう」と。。。諌められ 雷禅 力王に これからのことを 話して ついに 願の森でいただいてきた 薬を 飲みました。 すぐに 布団に 倒れ込み  ぐーぐーと鼾をかきはじめたのには 一同 呆れるやら やはり頼もしいやらで。 さて  都から 離れた 大胴山では  弓月 率いる 弓隊が 山の近辺を荒らし回っている 天狗討伐中です 山育ちの弓月は この程度の山では 平地と変わらず 動き回れるが 都育ちの 侍たちは 山の足場の悪さに 大した数もいない 木っ端天狗たちに苦戦しております。 しかし 弓月の 手解きを受けた 三弓隊が これも 空からの敵に対して 手製の短刀やら 弓矢やらを 交わしつつ 戦っております。 そんな戦いの最中に 力王の 片腕 疾風が 弓月のもとへ 飛んで来て渡された 雷禅からの書状を 読み 「これは こんな木っ端天狗に時をとられていては いけぬのお」と言うや 今までは 敢えて使っていなかった 願の森で頂いた 神器 白銀の弓 月光を とりいだし かって気ままに 飛び回っては こちらに 攻撃を仕掛けている 木っ端天狗の 頭目と思われる やつに 狙いを定めて 矢を放ちました。 かの月光から放たれる矢は もののけに 効力 のある破魔矢となるため 一瞬にして 木っ端微塵に。他の子天狗たちも一網打尽になり ともかく 都へ戻ろうとした時 さらに 力のある鴉天狗たちが出現しました。
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