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声が枯れるまで僕は鳴き続けた。 その声を聞いた人がやってきて救急車を呼んでくれた。 はやく、はやくおじいさんを助けて! 僕は猫だから救急車には乗せてもらえなかった。 ただ、おじいさんの無事を祈り救急車が見えなくなるまでその場に立ち尽くしていた。 市内の大きな病院の一室。 窓からは緑の映えた木が見える。 優しい木漏れ日がベッドを照らす。 あの事件から3日経っていた。 おじいさんは奇跡的に一命を取り留めた。 全身打撲に右足骨折と重症ではあったが。 いつもの本を読もうとするがミケの事が心配で集中出来ない。 不意に病室のとびらが勢い良く開いた。 「大丈夫ですか、おじいさん!」 訪れたのは常連のつばさくんだった。 「おぉ、つばさくん来てくれたのかい。ありがとうね。」 「いいんです。良かった、命に別状が無くて・・・。犯人に心当たりはあるんですか?」 するとおじいさんは何か言いかけて押し黙った。 「何でも言ってください、力になりますから。」 「多分、あの古書店の土地を売れと執拗に迫ってる彼らの仕業だろうなぁ。」 おじいさんはあまりこの事を言いたくはなかった。
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