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つばさくんに迷惑をかけてしまいそうだったから。
「・・・おじいさん、僕決めました。」
おじいさんは目を丸くしてつばさくんを見た。
「僕、あの古書店を継ぎます。」
「ど、どうしてだい?それじゃ小説家になるって夢はどうなる?」
「それも諦めません。本に囲まれて生活した方がタメになると思いますし!」
「つばさくん・・・。」
死に際に見た希望に自然とおじいさんの目は濡れた。
「わかった。あの古書店を頼むよ・・・!」
つばさくんは大きく頷いた。
ミケはずっと古書店の中にいた。
数日帰ってこないおじいさんの事がずっと心配だった。
死んだり、してないよね?
家の中にずっといても不憫なのでとぼとぼと近所を徘徊していた。
すると見覚えのある人物を見つけた。
古書店の土地を狙っていた彼らだ。
許さない。
絶対に彼らがおじいさんを階段から突き落としたんだ!
僕は後ろから尾行し、彼らの会話に耳を澄ませた。
「あいつ、やり損ねたらしいですね。」
「これだから人には任せられないんだ。」
「まあこうなってもいいように策は用意してたじゃないですか。」
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