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「そうだ。ただし、人間になれば最後、一生猫には戻れん。また、残り1年しか生きられなくなる。それでも良いか?」
この状況を信じられなかったが頼れるものは全て頼りたかった。
いいよ。
おじいさんを助けるためだったらなんでもいい。
僕を人間にして!
暗闇の空間から急に眩い光が溢れ出し、そのまま再び意識を失った。
・・・。
・・・・・・頭が痛い。
気がつくと僕は意識を失った路地裏に倒れていた。
さっきのはなんだったんだろう?
夢、だったのかな。
それにしてもつばさくんがあいつらと繋がってたなんて。
あの優しいつばさくんを信じたかった。
ゆっくりとミケは立ち上がった。
あれ?
心なしか、いや、明らかに目線がいつもより高い。
そういえば二本足で立っている。
恐る恐る自分の体を確認した。
「に、人間!?」
あの声は夢じゃなかったんだ!
すごい、本当に人間だ。
言葉も喋れる、歩ける!
嬉しさが溢れそうになったが気持ちを押し込めた。
おじいさんの所へ行かなきゃ!
僕はそのために人間になった。
場所はわかってる。
あの大きな病院。
慣れない二本足で全力で走った。
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