第五話 フロアボス

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第五話 フロアボス

そして、ついに目的のフロアボスのいるという情報のあった部屋の前へと辿り着いた。各自、最高の装備に準備をし、いざ闘いへと挑むことになった。 しかし、その一方俺はもし、今日の闘いで死んでしまったら。と言う事を考えていた。何度目かわからないがこの世界に来てから何度かこの世界で死んでしまったら現実世界でも死ぬということを考えていて、その度怯えていた。その都度現実世界の平和がどれほど自分の為だったかを考えて後悔していたのであった。だが、何度も言うが、この世界から脱出するにはこのゲームをクリアする他にないのだ。 そんなこと考えている暇もないようだ。 ついにボスとの闘いが始まろうとしている。正直心が矛盾していた。このような世界に憧れていた自分の心と早くこの世界から帰りたいという心の自分がいた。しかし、今は何が何でも目の前に現れる敵を倒さなくてはならない。そう、元の世界へと無事帰るために。あたりは、とても静かで物音が一つもしない。強いていうなら各隊員の息の音のみだった。 各隊員が少し安堵の表情をしたその時、悪魔はやって来たのであった。暗がっていた天井から物凄い勢いでボスであろう魔物が飛んで来たのであった。 その時、一部隊員が下敷きになってしまった。 吐き気がしたし、人が亡くなるところを経験したことのない自分にとっては、こんな残酷なことはなかった。しかし、こちらの隊は劣ってなんかいなかった。この数分だけで敵の体力を半分近く削りもうすぐ決着が着きそうな怒涛の勢いだった。 だが悪夢はここからだった。そのまま闘い続けて何分かたった時こちらの優勢は変わっていなかったのだが敵の様子が変だった。急に長く鋭い牙や角を生やしはじめ、攻撃のパターンが大幅に変化したのであった。先程まで勢いのあった我が隊の攻撃は勢いを無くしガードにていしていた。更にこの状況に追い討ちを浴びたのである。一瞬にしてボスの素早い攻撃に隊のほとんどが壊滅させられてしまったのだ。この有様に腰を抜かした俺の前にボスが現れた。 体が完全に動けず冷や汗が止まらなかった。死を覚悟したその時救世主が現れたのだ。
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