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わたしは猫が嫌いだ。
毛むくじゃらの体に、大きな目。
何故人は、あんな獣を可愛がるのだろう?
わたしには理解できない。
そんなわたしの親は、ペットショップを経営している。
あり得ない。
わたしが猫が嫌いな事を知っているのに、店では猫を売っている。
だからわたしは両親の事も嫌いだ。
わたしは今年、高校を卒業する。
わたしは進学などせずに、就職するつもりだ。
早く自立して、あんな両親の元を飛び出したい。
「あずさ、ご飯だよ」
山村あずさがパソコンに向かい文字を打ち込んでいると、母親である美咲の声が聞こえてきた。
あずさは返事をする事なく立ち上がると、二階にある自室を出て、リビングのある一階へと降りて行く。
そして顔をしかめたまま、リビングのドアを開けると、テーブルに座る父親の直樹を視界に捉えた。
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