奈落

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結とは、一年以上前に偶然ホテヘルで知り合った。 「お客さん、ラッキーですよ!」 「今日体験入店した女の子居てるんですけど、いかがですか?」 「細身の可愛い子なんですから」 僕は、お目当ての子も居ないので 「じゃあ、お願い」 暫くして、店のスタッフに呼ばれ、女の子と対面する。 俯いているので、顔はよく分からないが、小柄な細身の女の子。 顔をチラリと上げ 「ゆかです」 「はじめまして」 僕は、びっくり! 風俗には似合わない、シャイな綺麗な女の子。 「はじめまして」 「今日、体験だって?」 「どう?」 ゆかと名乗った女の子は、そのまま歩き出す。 そして、 「あまり分からない」 「まだ、二人目だから」 二人で、ホテルに入り部屋へと。 明らかに馴染めて無い。 「何故、勤めたの?」 「似合わないけど」 ゆかは、悲しげな顔で 「色々とね」 僕は、それでも 「色々無いと出来ない仕事だもんね」 「でも、貴女ならもっと高級店でも行けたのに」 「だって、友達の紹介だし」 「それに、バレたく無いから」 「バレたく無い?」 「彼氏?」
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