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大槻は靴がないので、僕のサンダルをひっかけていた。決闘は夕方の六時からだという。
河原に着いてみるとすでに準備は整っており、どうやら決闘は四対四で行われるらしかった。
茶色のトラ猫以外、僕の知っている猫はいなかった。
猫たちの小さな手には思い思いの武器が握られている。チャトラ猫が持っていたのは大槻のハイヒールだった。
僕と大槻は反対側の河岸から様子を眺めていた。
向こうでどんなやりとりがあったかは定かでないが、いきなり、相手方のリーダーらしい一番大きなサバトラ猫がチャトラ猫に襲いかかり決闘の火ぶたを切って落とした。
サバトラの武器はよくできた三段警棒であった。
そのほかの猫もそれぞれちゃんとした武器を手にしており、ハイヒールのようなおかしなものを持っているのはチャトラ猫だけである。
そのためチャトラが最初に狙われたのは自然なことであった。
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