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「わかりました。話しましょう。でも家賃はちゃんと払ってもらいますよ」
「わかってる」
ヘイハチは鰹節を二三口食むと、居住まいを正した。
「今朝私のもとにこのような手紙が届いたのです」
肩掛けカバンから取り出したのは事務的なにおいのする茶封筒だった。封は猫らしく蒸気を当ててきれいに解かれている。
「読んでもいいのか?」
「読んでください」
僕は封筒から手紙を取り出して読んだ。このようなことが書かれていた。
あなたの息子は頂かった。反してほしくば五万四千円用意しろ。警察に言えば息子の命はない。うけ疲しは三十日の午後五時、多井川の並木橋の下だ。
南山連合
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