「早くあなたの口から好きだと言わせたい」

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翌朝。 目が覚めるとカーテンの隙間から漏れた朝陽が床にはい出していた。 隣にはスヤスヤと寝息をたてる樋山くん。ほんの数時間前まで雄の顔をしていたのに、すっかり20代の男の子の顔に戻っている。 改めて考えると年下なんだよな。しかも5つも下。 いくら世の中が年下ブームだからって、まさか自分がそれに乗っかってしまうなんて思いもしなかった。 だけど男に抱かれるってこういうことなんだってこと、彼で知った。その喜びを知ってしまったら、元々それがなかった頃に戻ることはできないかもしれない。 「シャワー、借りるね」 気持ちよさそうに眠る彼に断りを入れると、まだ余韻の残る身体を起こし浴室へと向かった。
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