「早くあなたの口から好きだと言わせたい」

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熱めのシャワーを浴びリビングへと戻ると、樋山くんはまだ眠っていた。 1LDKのまだ真新しい部屋。ここに来るのはこれで二度目だが、いつ来ても生活感がない。 キッチン道具もなければ、冷蔵庫はビールとミネラルウォーター、わずかばかりの食材が入っているだけ。 部屋の隅には数個の段ボールがまだそのままの状態。忙しくて解くことも出来ないんだろう。 恐らく、食事だって不規則で偏っているに違いない。せっかくだから朝ごはんでも作ろうと、濡れた髪をまとめながらキッチンに入った。 彼の事だ。きっとあの可愛い笑顔で大袈裟なくらい喜ぶだろう。そんなことを考えながら冷蔵庫の中を覗いた。 するとその後方で、ブーブーとバイブ音が響くのが聞こえた。
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